イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「あぶなっかしい」
未来はふいと目を逸らし、俺から離れる。
「ありがとうございます」
「こんなとこでなにしてんだよ」
「美化委員の仕事の帰りに、先生に頼まれちゃって…」
「もう昼休みはじまってんぞ」
「あ、はい…」
なんとなくよそよそしい。
そのまま用具庫を出ていこうとする未来の手を掴む。
「どこ行く?」
「テントに戻ろうと…」
目を逸らしたまま、未来が言った。
やっぱりよそよそしい。
「なんでこっち見ねーの」
聞いてみても、未来は黙ったまま用具庫の扉を見ている。
「弁当、食べねーの」
「食べます」
「持ってきてやったけど」
きょうちゃんから預かった弁当を見せると、未来はようやく俺を見上げて。
「…勝手に持ってこないでください」
ようやく、未来らしい憎まれ口を呟いた。