イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
□非日常のはじまりはじまり
新しいクラス。新しい担任。新しい学年。
4月。
裏庭の桜もほとんど満開で、風に揺れる淡いピンク色が綺麗。
ぴかぴかの新入生でもない、高校生活最後の3年生でもない。
高校2年生、の春に、感慨なんてひとつもない。
私の前には、いつもどおりの日常と、いつもどおりの出来事がある。
人気のない裏庭。
私は、名前も学年も知らない話したことすらない男と、真面目な顔で向き合っていた。
たとえ彼が短髪を上手にセットしているような爽やかなイケメンだとしても、こういう沈黙は重苦しい。
早く、頑張って勇気を出してほしい。
生意気かもしれないけど、ついついそんなことを考えてしまう。
そして解放してほしい、と。