イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


私は混乱しつつも、待ってくれているきょうちゃんのもとへ戻る。


「お待たせ」


へへっと笑って言うと、きょうちゃんはいつもどおりの顔で、行こっかと歩きはじめた。


きょうちゃんの横顔をこっそり見つめる。

さっき私の知らないところで、森川と話していた、きょうちゃん。


「はーもう来月、文化祭だよねー」

「楽しみだね」

「うちのクラス、なにすんだろね」

「喫茶がいいな、楽だし」


帰り道、なんとか笑って話しながら、きょうちゃんが切りだしてくれるのを待つ。


でも、きょうちゃんはいつもどおりの顔で他愛もない話ばかりする。


心臓がドキドキする。


なんで、黙ってたの?


ドキドキ、する。


言ってくれたらいいのに。


すぐに、教えてくれたらよかったのに。



いつから、黙ってたの?


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