イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
そういう気持ちが体中を渦巻いて、私は立ち止まっていた。
それに気づいたきょうちゃんが、歩みを止めて私を振り返る。
「どした、未来」
心配そうに私を見つめるきょうちゃん。
「会長いなくてそんな寂しい?」
そんなことを言ってくれる。
でも、違う。
そんなこと言ってほしいんじゃない。
私のことなんて、今はどうだっていいじゃん。
きょうちゃんの、話をしてよ。
私は息を飲んで、笑顔を作って、口を開いた。
「きょうちゃん、今日の朝、私に話そうとしてたことってさ」
あ、なんか、泣きそうだ。
だめだ、笑わないと。
「森川のこと?」
きょうちゃんは驚いた顔で私を見る。
「もしかして、森川と付き合ってる、とか?」
笑顔のまま、聞けた。