イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


きょうちゃんは少し視線を泳がせて黙り、それから一度頷いた。


「…もしかしてさっきの、聞いてた?」

「聞こえるよー、痴話喧嘩!」


私はきょうちゃんの脇腹をどん、と叩いて歩きだす。


「ごめん、ちゃんと話そうと思ってたんだけど…」


きょうちゃんは私に追いついて、隣を歩きながら言った。


「なんで謝るの?なんにも悪くないじゃん」

「いや、でも…」

「…好きだったの?森川のこと」

「うん、いや、うんっていうか…」


きょうちゃんは戸惑った顔で、曖昧に頷いた。

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