イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛

□早く帰ってきて



夜。


仕事で帰りの遅いお母さんの分まで夕飯を作る。


ぼんやりしていたら、野菜炒めが少し焦げてしまった。


いつもより少し食欲がなくて、いつもより少しテレビに興味が出ない。

いつもより長くお風呂につかって、いつもより早く自分の部屋に行く。


責めなくて、よかった。

きょうちゃんのこと、森川のこと。


責める理由なんてないのに、感情的に、流されそうになってしまった。


だからなんとか、笑えてよかった。


でも、「よかったね」なんて。


心から、思えてないこと、言った。

やっぱり、最低だ…。


ベッドの上で体育座りをして、ぼんやり天井を眺める。


だめだ、まだ混乱してる。



スマホを見ると、まだ9時にもなっていない。


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