イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
ああ不覚にも、少し元気が出てしまった。
声を聞いただけで、安心してしまった。
これ以上邪魔をしちゃいけない。
じゃあまた、と口にしようとした時。
『…なにがあった?』
会長の、真面目な声。
私は苦しくなって、胸を掴む。
『めんどくせー女だな』
そう、会長はいつもそんなふうに思いながら、
『いいから話せよ。今、周りに誰もいねーから』
私が本当のことを言うまで、何度も聞いてくれる。
じっと待ってくれる。
こんなに面倒くさい私を、放り出さずに。
私は、震える喉で小さく息を吸って、言った。
「私って、鈍感、なんですかね」
『あ?あー…鈍感といえばー…鈍感かな』
「…やっぱ、そうなんですね」
『なに、また告られでもした?』
「してません」
『焦らせんなよ』
「…会長でも焦ることってあるんですか?」