イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
いつもなら、笑わないでくださいって、すぐにそう言うところだけど。
会長の声が優しくて。
「…ずっと一緒にいたのに、全然、2人の気持ち知らなかったな、って…」
呟くと、会長の穏やかな相槌が聞こえる。
私はそれに安心して、次の言葉をすんなり、心の中から連れだせる。
「自分のことで精一杯で、2人になにもしてあげられなかったな、とか」
『うん』
「なんで言ってくれなかったんだろう、とか」
『うん』
「これからの関係、変わっちゃうのかな、とか」
『うん』
「私が2人のそばにいて…いいのかな、とか」
ああ。めちゃくちゃ言ってしまった。
格好悪いくらい、情けないこと、素直に…。
今更ながら後悔していると、電話口の会長は静かな声で私に聞いた。
『未来にとって、きょうちゃんと森川くんは、どういう人なの』
「どういう人って…」