イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


『例えば。うちで言うと、流奈は宗介が好きだ』

「えっ!会長、知ってるんですか?!」

『昔っからだからな。ま、流奈なんて分かりやすいし』

「それは確かに…」

『で、宗介も流奈が好きだ』

「ええっ?!」

『これも昔っからだ。宗介は分かりにくいけどな』

「そ、それも確かに…」


『2人とも、自分の気持ちには気づいてるのに、相手の気持ちには気づいてない。アホで間抜けだな、あいつらは。………でも。想い合ってれば、いつか気づく日がくる。そのタイミングが、今じゃないだけ』


会長に滔々と説明されて、頷く。


『まーでも、恋愛なんてタイミングだから。そのタイミングをなんらかのきっかけで逃したとして。それもまた、あの2人の運命』

「そんな……」

『危なくなったら俺もちょっとくらいは手、回すつもりではいるけどな。でも、あの2人なら大丈夫だろ』

「そう、ですよね」


私が小さく微笑んで言うと、会長のふ、と笑う声が聞こえて。

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