イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
心の真ん中から出てくる声を、止められない。
「会長、早く帰ってきてください」
言ってしまうと、しばらく会長は黙っていて。
沈黙の中、鼓動の音が電話の向こうまで聞こえてしまうんじゃないかと焦る。
『…それも電話ならではの強気?』
会長が、少し低い声で誘うように言った。
「…電話ならではの本音です」
正直に答えると。
『仕方ねーから速攻帰る。明日』
速攻明日って、予定通りじゃないですか。
そう笑って言おうとしたけど、胸がいっぱいで言えなかった。
その夜は、驚くほど深く、眠れた。