イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
*
翌朝、登校途中できょうちゃんと合流すると、やっぱりどこか少しぎこちない空気が流れた。
気まずそうな笑顔で「おはよ」と言うきょうちゃんに、私も笑って。
「昨日は変な感じになっちゃって、ごめんね」
素直にそれだけを言うと、きょうちゃんは驚いた顔をして首を横に振った。
「なんで未来が謝る…」
「…正直に言うとね、ちょっと、混乱しちゃった」
「ごめん、言わなくて」
「言いにくいよね、そりゃ。もう、私鈍感過ぎて、自分が情けないもん」
苦笑いして言うと、きょうちゃんが私をぎゅっと抱きしめた。
「未来は鈍感なんかじゃないよ」
その切実な声に、ああずっと悩ませてたんだな、と思い知る。
「…きょうちゃん、今日ちょっと授業さぼらない?」
きょうちゃんの耳元で言うと、きょうちゃんは私の肩から顔を上げ悪戯っぽく笑った。