イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「いつしたの?」

「したんじゃないよ、されたの…!…最初は、1学期の期末の前頃」


正直に話すときょうちゃんがなにも言わずに黙っているので、ちらりと顔を上げて見ると。


「ちょっと待って最初はって…、一回じゃないの?」


額を片手で押さえて、ついていけない、というように首を横に振っている。

あ、呆れられてる、心から…。


「…何回?」


何回?

何回って…。


私は色んなことを思い出す。


傘の中でそっと触れたキス、会長の家のソファで熱におかされたように降ってきたキス、体育祭でのキス…。


場面的な回数なのか、口と口が触れた回数なのか…。


答えられずに困っていると、きょうちゃんは額にあてていた手を激しく振って、


「いい、もう言わなくていい!…だいたい、分かったから」


そう言うので、私は泣きたくなってしまう。


だいたい分かったって、だいたいってどういうことだろう…?!

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