イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「でも、よく認めたね。最初の頃はあんなに、嫌がってたのに」
混乱している私の横で、きょうちゃんが短くため息をついた。
「普通の恋がしたいって、ずっと言ってたのにね」
きょうちゃんが困ったような笑顔を見せるので、私はふにゃふにゃと小さくなってしまう。
「あの会長のことが好きだなんて、身の程知らずにも程があるよね…」
「まあ、普通とは遠い人だよね」
「うん」
「でも、ちゃんと伝えるんでしょ?」
そう聞かれて、私はうーんと、首を傾ける。
きょうちゃんは意外そうな顔で私を見て。
「会長の愛情表現はあんなにストレートなのに、未来は素直にならないの?」
…あんなにストレート、か。
私は少し考えてから、ぽつりと言う。
「…言っちゃいけない気が、するんだよね」
「なにを?」
きょうちゃんが眉をひそめて理解できない、という顔をする。
私はぼんやり、遠くの遊具を見つめて呟いた。
「好きだって。会長に」