イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「…聞いてないの?私のどこが好きなんですかって。いつも聞くじゃん、告白された時」


そう言われて、私はまた苦笑い。


「会長のあれって、告白だったのかなあ」

「告白だって!」

「万が一告白だったとしても、あんな変な告白はじめてだったから…聞けなかった」


春のあの日を、思い出しながら言う。

今は慣れてしまった、むしろ居心地がいいとさえ思う、あの非現実的に豪勢な生徒会室。


窓から差しこむ光を背負っていた、あまりに綺麗な会長の顔。


「…悪趣味だったなって思うの、最近。私のどこが好きなんですか?なんて聞くの」


中学の頃から、よく知りもしない男の子に告白されるたび、聞いてきた。


意地悪で言ってたわけじゃない。

試したかったわけじゃない。

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