イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


ただ、私には分からなかったら。


桜田未来の、どこを好きになってくれるのか。


教えてほしかった、ずっと。


でも。


「卑屈にも程があるし、好きだって言ってくれる相手に失礼だよね」


きょうちゃんは私の肩にぽんと手を置いて言う。


「未来、あんた大人になったね…」


私は弱々しく微笑んだ。


「それに…会長には、好きだとも言われてない。のに、聞けない」


言ってから、ブランコを少しだけ漕いでみる。


きょうちゃんも同じように、ブランコを漕いで、


「なんか、難しいね」


そう言った。


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