イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


お昼前には学校についた。


心配そうな顔で駆けよってくる森川を肘でつついて、

「おめでとうじゃん」


言ってやると森川は少し照れた顔で、だけどいつもどおりの朗らかな笑顔で、


「ありがとうな、未来」


そう言って、私の頭をぽんと叩いた。


きょうちゃんも同じように笑ってくれる。


そうか、本当に変わらないんだ。

ただ、大好きな2人が大好きな2人のまま、結ばれただけ。


――『そして2人は、彼氏彼女になったところで、未来を爪弾きにするような子たちじゃない』


本当に会長の言うとおりだ。


安心すると、笑いながらも少し泣けてきてしまう。


「な、なんで泣く?未来」

「ちょっと森川、未来のこと泣かせないでよ」


焦る森川を前にきょうちゃんが言って、私をぎゅっと抱きしめてくれる。


「2人とも、いつも、ありがとう」


泣き笑いしながら言うと、また3人に笑顔が溢れた。


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