イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
いつもお昼を食べているテーブルに座り、頬杖をついて会長席を見つめた。
会長、好きです。
心の中で言ってみる。
――『仕方ねーから速攻帰る。明日』
そう言った、会長の声が蘇るけど。
明日って言ったって、休日あるから、会えないし。
ばたんと、テーブルに顔を伏せて1人いじける。
早く、会いたい。
目を閉じてそう思った時、ガチャと扉の開く音がして。
顔を伏せたまま、ぼんやり扉の方を見ると。
いるはずのない会長がそこに立っていて。
「会長…?」
幻覚まで見るとか、やばい私…!
驚いてガタガタッと椅子から立ち上がると、会長は長い脚でぐんぐん私に近づいてきて。
そのままなにも言わず、私をぎゅっと抱きしめた。
いつか、そう、会長についてどこかの誰かに酷いことを言われて、勝手に怒って勝手に傷ついて泣いていた私を、そっと抱きしめてくれた時とは違う。