イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
会長の強い腕の力が、私を縛っている。
呼吸が苦しいほど。
会長の感触と香りにくるまれて。
幻覚じゃ、ない。
そう思うと、目に涙が浮かんだ。
必死に堪えて、私は口を開く。
「ど、したんですか…?バスで直帰のはずですよね?」
会長は私を抱きしめる力を少し緩め、だけど同じ態勢のまま、私の耳元で言う。
「…言い訳するなら」
ダイレクトに耳に響く会長の低い声に、肩が震えてしまう。
「流奈が鍵かけ忘れたかも、とかほざいたから、かけにきた」
「…開いてましたよ」
「勝手に入るアホもいるしな…」
…すみません。
そして私はおずおずと会長の身体に手を回して、小さな声で言った。
「言い訳しないで、ください」
ああ、なんてことを。
そう思ってすぐ、切なげな声が降ってくる。
「…会いたかった」
ああもう、なんてことを。
顔が見たい、と、首を伸ばそうとすると、会長の胸に顔を押しつけられる。