イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「ばれたか…」
「なんでついてきてんだよ」
「だってーなんか未来ちんのこと襲いそうな勢いで学校向かってたからー」
「襲うわけないだろ、神聖なる生徒会室で」
「透、ギリギリだぞ、やっていることは」
「そうだぞ、とーる!止めないでよ、おアツいとこなのにー」
にやりと楽しげに笑った会長は、私を見下ろして。
「どうする?未来」
そんなことを言うので。
「…っ、どうもしません!!」
私は真っ赤になったまま、会長の胸をぐいと押しのけて、会長から離れた。
やれやれと言う、副会長のため息。
お土産買ってきたよ~とはしゃぐ、流奈さんの笑い声。
真っ赤な私をからかう、会長の声。
さっきまでしんと静かだった生徒会室が、一気に明るくなって。
私は1人、泣きたくなるくらい、ほっとしていた。
会長と目が合うと、
「なんだ、その顔」
そう言われて、でこぴんをされる。
好きです、会長。
もう一度、言えない言葉を、心で呟いた。
あと少し。
あと少しのあいだ、そばに、置いて。