イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
□文化祭のはじまりはじまり
*
校庭の紅葉も散って、少し肌寒くなってきた11月。
もうすぐ、文化祭だ。
「お化け屋敷カフェって…」
デザートのプリンをもぐもぐしながら、流奈さんが言った。
「結局どっち?」
会長と副会長も、不可解そうに頷いて私を見る。
「えーと、お化けっぽい格好でカフェをする、という」
お弁当を食べ終わった会長にチョコボールを恵んでもらいながら、説明した。
「…桜田、それは…動きにくくないか?」
「そこじゃないだろうよ、そーすけ?そういうのが醍醐味だろうよ?」
「…醍醐味?どういうことだ」
「あえて非効率的なことをして楽しむ…青春の醍醐味」
流奈さんが目をうっとりさせて言う。
「ね、とーる!」
興味もなさそうに話を聞いていた会長に、流奈さんが話を振ると。
「さあ?まー庶民はそうやって楽しむんじゃね」
…やっぱり、興味ないんだ。