イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
生徒会は体育祭同様、実行委員と運営サイドに回るので、クラスの催しにはほとんど参加できないらしい。
チョコボールを口に運びながらちらりと会長を見ると、目が合って。
「運営はしっかりしてやるから、せいぜい楽しめ」
目だけ少し細めて会長が言うので、胸がきゅんとしてしまう。
――『とにかく皆さん、長いようで短い高校生活です。…1年生はとにかく頑張ってみる。2年生はとにかく楽しんでみる。3年生は、悔いのないように』
会長が言っていた、春の始業式の言葉。
…悔いの、ないように。
会長にも、楽しんでほしい。
楽しい、文化祭にしてほしい。
「とーるは絶対、お化け屋敷カフェ行かなきゃね」
流奈さんがスプーンを咥えたまま、会長を横目で見て言う。
「そんな暇ねーよ」
「いいのかなー?そんなこと言って。未来ちんの、ミニスカよ?」
「「…ミニスカ?」」
私と会長が同時に声をあげる。