イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「待ち伏せみたいなことしてごめんなさいね」
入りなおしたファミレスのテーブルで向かい合った彼女は、苦笑いをして言った。
上品な指使いでカップを口に運ぶ彼女の指先には、綺麗なネイルが施されている。
なんかいい匂いもする。
大人の女って、感じだ。
それに、最初に会った時ほどの棘も感じない。
綺麗な顔にまっすぐそろった前髪が、とがった印象を与えているだけかもしれない。
「外山友梨子といいます」
「あ、えと…桜田未来です」
私はぺこりと頭を下げるけど、なにを言ったらいいのか分からない。
気まずい沈黙に耐えかねて私は聞いた。
「えっと、友梨子さんは大学に通われてるんですか?」
友梨子さんは頷いてからしばらくまた黙り、少し笑って言った。
「…まどろっこしい自己紹介とかは、やめましょうか」
私も頷く。
「あなたが透くんと付き合いはじめたのっていつ頃?」
そう聞かれて、私は首を横に振った。