イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「透くんのお父様もそれで満足されていたわ。…透くんは、そうすることで父親に少しは黙っていてもらえると分かっていたのね。…お父様の期待に応えながら、制限された世界の中でも自分なりの自由を自分の意思で掴みとって、生きている彼が眩しかった」



友梨子さんの声は、私に言い聞かせるようだ。

色んなことを。



――『3年生は、悔いのないように』



ああ、春の、会長の言葉。


何度も心の中で繰り返した言葉。



遠いなぁ。


本当に、遠いや。



「…でも透くんも限界くらいは分かってる。高校を卒業したら、大きな家の子は、本格的に家に入る。家の道を進む。…意味、分かる?」



私は頷く。


そこに自由は、ないってこと。



そしてその覚悟が、会長にはあるってこと。



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