イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「どうせならもう、はみ出しちゃえばいいのにって思うのに、きっとそうやって生きていくことが彼の力ならできるのに、それはしないのよね、透くんは…。変に真面目なのね」
友梨子さんは優しく私に微笑んだ。
好き、なんだな。
会長のことが。
ちゃんと、会長を見て。
会長の容姿じゃなく。会長の地位じゃなく。
神崎透を、この人は好きなんだな。
そう思った。
「ごめんね、つまらない話を聞かせて」
友梨子さんはそう言って、席を立った。
当たり前のように私のドリンク代も払ってくれる友梨子さんに、私は頭を下げる。
深く。
鼻の先が痛い。
耳がじんじんする。
「会長のこと、幸せにしてあげてください」
きっと、ここまでなんだね、会長。