イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「友梨子さん、すごくいい人だったよ」



みっともないほど震える声。



「会長のこと、ちゃんと好きだよ」



ちゃんと。



「きっと大丈夫、きっと幸せになれる…」



きっと。


私じゃなくても。




「…もう、迎えにこないでください」




春にも、言ったね。


昇降口、サッカー部の横山先輩に、酷いこと言われて。



あの時も、待っててくれたのに。



――『か、会長は慣れてるかもしれませんけど、私は嫌なんです』


――『普通がいいんです。普通の生活で…、普通の恋が、したいんです。それなのに、目立って、噂されて、どんどん…』



――『…もう、迎えにこないでください』



そしたら次の日、黒い髪になって、私を待ってた。



――『似合わない?』


そんなこと聞いて。



きっともうあの時から。



好きになってた。



好きになったから、あの時、涙がでたの。




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