イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「裏庭の倉庫に隠れてたって聞いたけど」
私はドアの木目を見つめたまま、ふるふると首を横に振ってみる。
すぐにばれる嘘だけど。
「嘘つくんじゃねー、言質はとってる」
言質ってそんな、物騒な。
「…すみません」
「素直でよろしい」
「あの、では2限に…」
「うん、行ってもいいけど」
そう言うと、会長はぱっと、私の手を離した。
安堵した瞬間、今度は長い腕が後ろから伸びてきて。
トン、と腕が扉に押しつけられて。
さっきより、私と会長の隙間が狭くなる。
そしてふわり、背後から香る甘くて柔らかなにおいが近くなった瞬間。
「…逃げられると思ったら、大間違いだから」
私の耳元で、愛の言葉を囁くような優しい声で、会長は言った。
………悪魔だ。