イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
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教室の窓から見る景色は、どこか色がない。
冬ってこんな感じだったっけ、ぼんやり考える12月。
「未来…会長となにがあったんだよ」
昼休み、心配そうな顔で森川ときょうちゃんが私を見た。
もうずっと生徒会室には行っていない。
お昼は申し訳ないけど、森川ときょうちゃんとご一緒させてもらっている。
登校も、下校も、1人でしている。
時々、会長のファンクラブらしき人に声をかけられるけど。
多少の嫌味を言われるくらいで、特に実害もない。
結局、会長のそばにいない私になんてみんな、用はないし興味もないんだろう。
それは、私も一緒。
あれから抜け殻みたいになった私は、私自身に興味がない。
「…ごめん、まだ話せないや」
今言葉にしたら、きっとまた泣いてしまうから。
なにがあったわけじゃ、ないんだ。
いずれ来る日が、来たというだけ。
身の程をわきまえたという、だけ。
「お昼、一緒してくれてありがとう」
2人は首を横に振って、心配そうな顔で笑ってくれる。
元気ださなきゃ。
そう思って1人分のお弁当を片付けようとした時、廊下の方から名前を呼ばれた。