イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
昼休みも人気のない、裏庭。
北風が吹くと、鳥肌が立つくらい寒い。
サッカー部を引退したからだろう。
目の前に立つ横山先輩の髪は、春より少し長くて、ゆるいパーマがかかっていた。
「会長と別れたんでしょ?」
一言目が、それか。
苦笑いが零れるだけで、言葉が出ない。
会長と離れて、私の普通の日常が帰ってきた。
時々呼び出されて、好きだと言われて、ごめんなさいと頭を下げる。
もう、私のどこが好きなんですか、なんて、聞かないけど。
「いくら桜田さんでも、会長は上過ぎたでしょ?桜田さんには俺ぐらいのレベルが合ってると思うよ」
まだこんなこと言ってる、この人。
まさか横山先輩に、また呼び出されるとは思ってなかった。
「俺もう怒ってないからさ。俺と付き合おうよ」
にへら、と笑われて、私はきゅっと両手を握った。