イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛






終業式で久しぶりに見た会長は、少し痩せて、少し大人びたような気がした。


会長の挨拶は、全校生徒の期待に反して淡々としている。



ふざけていない会長は、本当に王子みたいだ。


選ばれることばかりで、選ぶことの少ない、王子。



『会長なんかまた雰囲気変わったね?』

『なんか静かだよね』

『ね~前みたいに無邪気に笑ってくんないかなあ~』



誰のことも求めない。

誰の手にも触れない。


そういう、王子みたいに見える。



あの人の、そばにいたんだ。

あの人に、触れられてたんだ。



いつもそばにいてくれたから。


悲しい時は触れてくれたから。



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