イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
たかが数週間、顔を合わせてないだけで、こんなに遠い。
これから、もっともっと遠くなる。
どうせもともと、遠かった。
それなら、いっそ。
裏庭で流奈さんと別れる時、流奈さんは私を振り返って言った。
――『未来ちん、いいこと教えてあげる』
――『王子様は、クリスマス生まれなんだよ』
明日から、冬休み。
2日後には、クリスマス。
会長の、高校最後の冬休み。
会長の、高校最後の誕生日。
今、胸に灯る勇気は、たぶん彼がくれたものだ。