イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
プレゼントの貰えないクリスマス、おめでとうと言われない誕生日、そんなものにはもう十数年前に慣れた。
寄り添って歩く恋人たちの姿がやけに目につく。
…未来は、どうしているだろうか。
あの狭い部屋で誰かと過ごしているだろうか。
母親の帰りは遅いみたいだった。
1人で、いるんじゃいなだろうか。
冬休みもバイトか?
アイス屋は冬も繁盛するのか?
未来のことを考え出すと、未だにきりがない。
揺れる窓に頭を預けて、目を閉じる。
自分でも馬鹿げたことをしたと思う。
あの夜見下ろした未来の顔は、今までに見たことのない表情で。
あのまま俺のものにしたら、どうなっていたのか。
そんな、つもりもなかったことさえ考える。