イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
――『好きなの』
泣きながら。
――『会長が好きなの』
震える声で、未来は言った。
――『好きに、なっちゃったの…』
まさかそんなこと、あるわけない。
ずっとそう思っていた。
俺が知るだけでも、入学してからざっと20人はバッサリの女だ。
未来が俺を好きになるなんて、そんなことあるわけない、と―――。
自嘲する。
そんな、卑下で、ごまかしていた。
触れるとすぐに赤らんだ頬。
抵抗せずに、否定せずに、俺を見上げていた。
――『会長は、楽しかったですか?』
何度も俺に、そう聞いた。
――『言い訳しないで、ください』
生徒会室で力いっぱい抱きしめると、弱々しく抱きしめ返した。
まさかが、確信になりそうで。
いつも、触れる時、触れられない時もいつも、奪い去りたい衝動を、堪えていた。
――『迎えにきたら、許しませんよ…』
その言葉が、最後。
俺が、未来に、言わせた言葉だ。