イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「勝手に好きとか言って勝手に泣いて、挙句の果てには迎えにきたら許さないとかほざいた女が…」
無遠慮に呟くと。
「勝手なのは、お互い様です」
少しは落ち着いたらしい未来の声が言う。
まあ、そうだな。
俺は俯いたまま少し、笑ってしまう。
自分を落ち着かせようと。
今、顔を見たらきっと、もう、止められない気がする。
堰を切ったように気持ちが、雪崩れそうな気がする。
あーどうすっかな、とりあえず堪えろ俺。
そう考えていた時。
ふと、頭上にぬくもりが降って。
「髪…根本、ちょっとだけ金色」
未来が俺の頭に触れたんだと、分かった。
…心臓が、ぎんとなる。
切ないという感情を知ったのは、こいつと出会ってからだ。
ゆっくり、顔を上げると。
「ちょっと、痩せた…」
未来が、今度はそっと俺の頬に触れて言った。
丸い目を細めて、長い睫毛を伏せて。