イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
頬に、未来の手の冷たさが伝わってくる。
俺の気持ちが雪崩れるのなんて、一瞬のことだ。
この女の手にかかれば、いつも。
「手、冷てーよ…。いつからいたんだよ」
「さっき」
真面目な顔で俺を見つめたまま言う。
アホか?俺は。この期に及んで。
今までで一番、好きだ。
「…似てませんね、お父さん」
未来がぽつりと、呟いた。
「血、繋がってねーからな」
少し笑って、俺の頬に触れている未来の手に自分の手を重ねる。
あたためるように。
ああ、本当に、冷てー手だな。
小さくて柔らかくて、俺を待ちぼうけて、冷えた手。
「…両親はどっちも純日本人。こんな髪色のガキが生まれてくるわけねーだろ?母親の不倫相手の子なんだよ、俺。本当の親父は、イギリス人」
未来は、俺の話をうんともすんとも言わずに、ただ聞いている。