イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「…ガキの頃から嫌でしょうがなかったよ。母親の不貞の象徴みたいにキラキラした髪が」
心ない言葉も受けた。
どこに行っても目立った。
自分の過ちを具現化した俺と、向き合うことさえしない母親。
自分が生まれてきたことさえ、誰からも許されていない気がしていた。
「でも、未来が…」
そう、呟いて言葉を切る。
未来の手から手を離し、そっと、腕をあげて未来の髪先に触れる。
ブラウンの、柔らかな長い髪。
「未来の髪も、父親譲り…だったな」
言うと、未来は小さく頷いて。
これ以上ないくらいの優しい声で話しはじめる。
「父が、フランス人とのハーフ。顔はね、お母さんそっくりなんですけど…。髪だけ、父譲りです」
困ったように笑うので、俺は未来の髪先をきゅっと握って、言う。
「綺麗な髪だ」
「前にもそう、言ってくれました…。嬉しかった」
抱きしめたいな。
強く。