イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「笑ってんじゃねー」

「すみません」

「嘘だよ、笑え」

「ふふ」


可愛い声で笑うんじゃねー。

未来を引き寄せたまま苦笑いを零して、俺は言った。




「…俺、お前には許されたいんだよ」


はは、女にこんなこと言う日がくるなんて。



「一度も誰にも、許されたいと思ったことなんてない。父親にも母親にも。認めさせるって生きてきたけど、許されたいなんて思わなかった。ただの一度も、誰にもだ。誰にもなにも望まない。許してくれなんて言わない」


でも。



「でも、お前には許されたいんだ」



情けないか?俺。



「だから、なんだってするんだよ」



別にいいよ。



「髪だっていくらでも黒くする。いくらでも守ってやる」



伝わるなら。



「だから…許さないなんて言うな」




ぎゅうと、未来の腰を抱くと。

頭からまるごと抱きしめられて。



それは泣きたくなるほどの、ぬくもりで。


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