イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


「ごめんね、会長」



耳元で聞こえる、震える声。



「許さねー」



俺の口から零れる、震える声。



「許してください」


「…許すよ」



冬の夜に、こだまする俺と未来の声。



抱きしめる力を緩めて、そっと見上げると、未来の切なげな顔の向こうに、満天の星空。



未来はゆっくり、俺の前にしゃがみこんだ。



今度は斜め下に、愛しい顔。



白い雪が、ちらつく。


今年はじめての、雪だ。



「…奪いてーな」



考えるより前に、零れていた。


未来の大きな瞳に、涙が浮かんでいくのが分かる。


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