イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「明日なんていらねー。将来なんていらねーから…」
零れる前に、拭ってやりたくて頬を包む。
「…お前を遠くまで、奪いたい」
零れた涙が、すぐに俺の右手に触れる。
「でも、そうもいかねーから」
未来がぎゅっと目を閉じると、また涙がぽろぽろ零れる。
そんな顔、すんな。
そっと、未来の耳に顔を寄せる。
「待ってろ」
言うと、未来はゆっくり目を開けた。
目を丸くして。
信じられない、みたいな顔すんなよ。
そこからまた、零れる涙を、俺はごしごしスーツの袖で拭ってやる。
うう、と漏れる未来の声に、笑う。
鼻水出てんぞ、アホ。
手離すつもりなんて、あるわけねーだろ。
こんなに好きなのに。