イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
未来の去った公園に、雪はその後もしんしんと降り続けたけどそれはやわな粉雪で、積もることなく次から次へと溶けて消えるそれを、俺はずっと眺めていた。
「友梨子さん、ごめん」
冷えたスマホの向こうで、友梨子さんの声が頷く。
「親や家や仕事を、選べなくても…、愛する相手は、自分で選ぶ」
『透くんは、そういう人だね』
「…友梨子さんは、いい女だよ」
『知ってるわよ』
「…きっと、いつか出会う。友梨子さんも。選ばれないかもしれないのに、求めてしまう人と」
『…どうかな』
「出会うよ」
『出会ったんだね、透くんは』
「うん」
『変わっていったね、少しずつ、透くん。高2の頃から…』
「親父のことは、俺が説得する。…どれだけ時間がかかっても」
『頼みますよ、王子様』
「やめてください」
『ふふ…、ねえ、やっぱりあの子なの?透くんは』
「そうだよ。あの子が俺の、一生に一度の女だよ」