イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
いつまでも待ってばかりじゃだめだと、会長を迎えにいったんだ、あの日。
でも本当はそれだけじゃなくて。
ただ、会いたかった。
一度しかない、会長の18の誕生日に、顔を見たかった。
「そういえばプレゼントってなにあげたの?」
「…手編みのマフラー」
ぼんやり答えて遠くに目を向けると、袴を着た副会長と着物を着た流奈さんが歩いているのが見えた。
手を、繋いで。
――『2人とも、自分の気持ちには気づいてるのに、相手の気持ちには気づいてない。アホで間抜けだな、あいつらは。………でも。想い合ってれば、いつか気づく日がくる』
いつか、電話越しに会長が言った言葉を思い出して、苦笑いが零れた。
誰の話を、してるんだか。
待とう。
何年でも何十年でも、彼が、迎えにくるまで。
それでも待ちきれなくなったらまた、私から迎えにいけばいい。
うん、そうしよう。