イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛





3学期になり、受験勉強に専念するため3年生の登校が自由になると、校内はやっぱり少しがらんとした。


流奈さんにお礼を言いたかったけど、


『流奈もそーすけも塾に缶詰めだよお~こんなことしなくても受かるのに!』


大変そうなのかそうでもないのか分からないメールが来て、直接会えずにいる。



始業式では、新生徒会発足に向けて候補者の講演が行われた。


会長の挨拶のない式には誰も興味がないようで、体育館が私語でざわついたまま終業式は終わった。



会長は、3学期もずっと学校に来ていない。

もちろん連絡もない。



私はもう「会長の女っぽかった」ことさえ生徒たちから忘れ去られ、もとの平凡な生活を送っている。


時々見知らぬ男子生徒に告白されたり、期末試験にはりきってみたりして、日々は過ぎ。




あっというまに、


3月―――。



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