イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
その声は、ドアの向こう、女子生徒の群れの向こう側から聞こえる。
…なんか、嫌な予感がする。
『わ、流奈さんだ…!』
『会計の?』
『相変わらず超アイドル…』
口々に噂する声まで聞こえてくる。
おそるおそる見ると。
「やっほう、未来ちん」
小柄で可憐なツインテールが、群れをかき分けて教室に入ってきた。
クラスメイトたちも、突然の侵入者にびっくりしている。
そんな周囲をよそにツインテールはにっこり笑って、
「お迎えにあがりましたー」
私の手をぐいぐいと引いていく。
…もう絶対、逃げられないやつだ…これ…。
私は脱力して、きょうちゃんと森川に手を振った。
さよなら、親友たち…。