イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


あの日、はじまりの日から、朝の登校と夕方の下校には、必ず会長がついてくるようになった。


朝はこうしてさっきの曲がり角で待っているし、帰りは私の教室まで迎えにきて、朝と同じ曲がり角まで送っていく。



心配してくれているのは、分かるんだけど。

学校に近づき、だんだん登校中の生徒の数が増えてくると…。



とにかく目立って、嫌なんだよね。



『…今日も会長と一緒に来てるじゃん』

『なんで会長があんな女に振り回されてんの?』


女の子たちの声。


『あれだろ?会長に昼飯ぱしらせた女』

『あの会長を尻に敷いてんだろ?』


男の子たちの声。



『で、結局、何者なの、あの子』


…私が聞きたいです。



確かに今1人で登下校なんてしたら、ファンクラブの人たちから襲撃にあいそうだ。


過激派もいるって噂も聞いたし、恐いのは事実。



でも。…でも!


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