イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
そういうことじゃなくって、私は全然、可愛らしい女の子なんかじゃないから。
私が首を横に振ると、横山先輩は私の両肩を掴んだ。
「どうしてもだめ?」
…触らないでほしいなぁ。
内心でまたため息をつく。
せっかく好きだと言ってくれた人に対して、こんな酷いこと。
そう。
本当に可愛い女の子は、こんなこと思ったりしない。
「本当にごめんなさい」
目を伏せて言うと横山先輩は私から離れ、肩を落とした。
ちょうどその時チャイムが鳴ったので、私は横山先輩に一礼し、踵を返す。
あーあ、やっぱり間に合わなかったなぁ。
そんなことを考えながら、気だるい陽気のなか体育館に向かって歩きだした。
そういう、日常。