イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
始業式は当然もうはじまってしまっていた。
体育館の入り口からそっと中を覗く。
どうやら、生活指導の先生の話の真只中。
壁際に立っていた担任がこそこそしている私に気づき、険しい顔で2年C組の列を指さした。
「ありがとうございます…」
口だけを動かして頭を下げ、背をかがめて、C組の列まで走る。
列の一番後ろには、きょうちゃんと森川が並んで立っていた。
きっと心配して一番後ろに並んでくれてたんだな。
友情にほろりとして、私はそっとその後ろに立った。
「未来!」
振り返ったきょうちゃんが私に気づいて、目を丸くする。
倉本響子。
前髪と後ろ髪の長さを揃えた肩までのボブヘアに、切れ長の綺麗な目。
一見きつい印象を持たれがちだけど、実際は面倒見がよくて優しい性格の、私の幼馴染。