イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
委員会は1時間と少しで終わった。
閑散としている下駄箱で、靴を履き替える。
…1人で帰るの、本当に久しぶりだな。
委員会が開かれた教室から下駄箱まで、多少の視線は感じたけど、会長といる時ほどではない。
あれはもう、変に眩しいスポットライトを浴びてるみたいなものだし。
会長に気を遣わずに歩けるって、素晴らしいじゃないか。
少し心細いような気持ちを、明るい考えで吹きとばして歩きだした時。
「桜田さん」
背後から声をかけられた。
振り返ると、下駄箱の影からジャージ姿の見覚えのある人が。
「…横山先輩」
「あ、名前、憶えてくれてるんだ?」
3年のフロアにいた時に目が合って、思い出していたから。
そうとは言えずに曖昧に頷くと。
横山先輩はゆっくりとした歩調で、私に近づいてくる。