イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛

「一緒に登下校してるとこ見たし。付き合ってるんだろ?」

「そういうんじゃ」

「いいって隠さなくても。つーか、全校生徒知ってるから」


そう言われて、ああ、と思う。


…やっかみ。


こういうのはじめてじゃないけど、ちょっと久しぶりだな。

気をつけてたんだけどな。


…サッカー部のエースを振ったあとに、会長と付き合いはじめた女。

そういう噂も、きっとあるんだろう。


つくづく、うんざりするよ。


「ま、確かに俺じゃ、会長の足元にも及ばないってことくらい分かってるし、いいんだけど」


そんなこと、ないと思う。

あなたの良さ、あなただけの良さ、分かって好きになってくれる人が、きっといると思う。


そう言えたらいいのに。


そんな人に出会ったことのない私には、言えない。


< 86 / 432 >

この作品をシェア

pagetop