イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「ちょっと傷ついたなーって」
明らかに偽物と分かる笑顔で言われて、私は俯く。
ああ、もう、帰りたい。
「…ごめんなさい」
私はそれだけ言って、頭を下げた。
私が彼のプライドを傷つけたことには変わりはない。
くだらないプライドだなって、思うけど。
私はその場から逃げだすように歩きはじめる。
下駄箱を出たところで、
「おい」
呼び止められて振り返ると、そこには壁にもたれて立っている会長がいた。
まっすぐな瞳で、私を見つめている。
「…なんですか」
声が震えてしまう。
「勝手に帰んな」
…なにそれ。
「待っててもらわなくていいって、言ったじゃないですか」
…だめだ、泣きそう。
言っちゃいけないことを、言ってしまいそう。