イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
「噂されてますよ、会長。私にぱしらされてるとか、尻に敷かれてるとか、あることないこと。あんな女の子になんでって」
「そんなんほっとけ」
「ほっとけません!」
思わず、大きな声が出てしまった。
会長は動じず、私を見つめている。
鼻先が痛い。
まずい、涙、出る。
「か、会長は慣れてるかもしれませんけど、私は嫌なんです。普通がいいんです。普通の生活で…、普通の恋が、したいんです。それなのに、目立って、噂されて、どんどん…」
どんどん、遠ざかってる、私の夢から。
普通の、恋がしたい。
だって、どれだけ特別な想いも、きっと簡単に、いつか崩れる。
普通でいい。
外見じゃなくて、中身が好きだよって。
ありきたりだけど、そう言える人。そう言ってもらえる人。
そういう人と、ありきたりな恋がしたい。