20歩目の未来
「でもさ、カホは結構可愛い方だから、
別に問題ないと思うよ?」
「問題ないって?」
「だからぁ!そんなうじうじしてないで
自分をアピールしろって意味!」
亜衣はそう言ってチャイムが鳴ってから
自分の席についた。
「ほら席に着け!今日は席替えをするぞ!」
先生が張り切って教室に入ってくる。
入学したてのあたし達の席は、
男女出席番号順にきっちりと並んでいる。
タクヤは3番で、あたしが4番だったから
つまりあたしの斜め前。
このままでいいのに…
そう心の中でつぶやいて
しぶしぶ前へ席決めのくじをとりに行く。